大切な人、大切な時間

 「介護」のお仕事をしていると

たくさんの方々と

お会いします

また、その分だけ

お別れをします

初めて担当した方が

旅立たれた日

手が震え

涙でにじんだ景色をよく覚えています

その方との最後の会話も

忘れることはありません

施設でのお風呂の順番待ちで

「早くお風呂に入りたいなぁ」

そんなぽつりとささやいた言葉に

「次は１番に入りましょうね」

と答えた私

あたりまえにあると思っていた「明日」

次はまだあると思っていた「未来」

叶えられなかった約束に

ただただ涙が止まりませんでした

あの日から３０年近く経ちます

今日があるから

明日があるとは限らない

あたりまえの「明日」はなく

「奇跡の日」を重ねていることを知りました

そして

今日

大切な人との

お別れの日でした

共に過ごした時間

忘れません

「今」の時間を惜しみ

支えられている「今」を感じ

本当に感謝しています